【今日の伊藤塾】「今，目の前」と「将来」と

伊藤塾が生徒さんや保護者の方のためにお役に立てることは何か？

まずはわからないことを教えるというティーチングの要素があります。そして，個別指導なので生徒さん一人一人に合わせて現状の成績（現在）をふまえて目標（未来）設定をし個別のカリキュラムを立てるということもします。ここまでは一般的にある学習塾と同じです。

では，そのほかに何が提供できるか？

それはコーチング的な要素です。例えば，勉強に対しての思い込みを外すこと。「僕は数学の証明が苦手です」という生徒さんがいたらその思い込みを外す。「思い込みではなくて，テストの成績もよくないので事実です」と言うかもしれませんが，現在の成績が良いか悪いかはあまり関係ありません。たとえ悪かったとしても，「じゃあ，これから先はどうなりたいのか？」を想像してみることが大切です。そして，その「こうなりたい」という理想の未来に向かって進むために「数学の証明が苦手だ」という思い込みが不要ならそれは取り払う必要があります。そこで，「本当に苦手なのかどうか？」を生徒さんと一緒に具体的に探ってみます。実際に問題を解いてもらいその様子をそばで観察したり終わった後にこちらで採点してみる。すると，「苦手という割にはここまでできてるじゃん」「全部はできてないけど，ここはわかったんだね」というできているところがほとんどの場合見つかります。そこをきっかけにして「苦手だ」という思い込みを和らげていきます。

また，思い込みを外すときに有効な手法が「見える化」です。そのために，授業の終盤では小テストを行っています。授業の中でわからないところがあったとします。それを講師から解説してもらう。でも，そこで終わってしまうと，「わかったつもり」になっているだけで実際にはまだわかっていないこともあります。そのために，小テストを使ってアウトプットをしてもらい，点数によって数値化し，授業の前後でのビフォーアフターを比べます。すると，生徒さん本人にとっても目に見えて「わかる」「できる」ことが増えたことがわかるので，より強力に思い込みを外していくことができます。

そのほかにも，生徒さんとの関わり方は目的論的に接することであることとか目標と現状との位置関係を数字を使ってスケーリングして確認することとか目標が達成できた場面を具体的に想像してみることといった，やる気を引き出したり継続するための方法でお役に立てると考えています。そして，私が対面して教えられるのは今の生徒さんだけです。やがて時が来れば塾を卒業する時が来ます。そうすると，私が影響を与えられるのは今の，目の前の生徒さんということになります。でも，もし，この塾を通して，思い込みを外して，最初は苦手だった単元が教科がやがてはわかったりできるようになったりしてその結果成績も上がり成功体験をすることができたとしたら，きっとその生徒さんはこのことを将来になっても覚えていてくれるのではないかと思っています。そして，過去の成功体験が，将来大人になって何か困難にぶつかったときに，「自分ならできる，だってあの時も乗り越えた過去があるから」という風に自分に勇気を与えるものになるかもしれません。そういった将来のあるときでも，塾での経験が役に立ってくれると嬉しい，そう思うことが私にまた明日への仕事のやる気を高めてくれてもいます。

今後も，今お預かりしている生徒さんを大切にし，より塾の品質を高めていくことに励んでいきます。